映画

『言の葉の庭』映画レビュー あらすじ&感想

出展:小説 言の葉の庭 特設サイト

映画情報

公開2013年5月

制作国 日本

配給 東宝映像事業所

上映時間 46分

監督 深海誠

脚本 深海誠

制作 コスミック・ウェーブ・フィルム

キャスト
秋月孝雄-入野自由
雪野由香里-花澤香菜

あらすじ

梅雨空の雨の朝、街中にある静かな緑に囲まれた公園を15才の高校生、孝雄は今日もやってきました。
将来、靴職人を目指す孝雄は雨の日の午前中は学校をさぼり、屋根付きのベンチでノートに向かい、靴をデザインするのが日課です。

その日は見知らぬ年上の女性が缶ビールを飲みながら座っていました。
女性の名前は雪野、27才。職場でいやなことがあり、行くことができず、ここにきてしまいました。

孝雄は会釈し、少し離れた場所に座り、いつものようにデッサンを始めます。
ふと気づくと女性の傍らにはチョコレートが置かれています。そして、孝雄はこの女性をどこかで知っているような気がしましたが、思い出せません。

消しゴムを落とし、女性が拾ってくれました。
孝雄は声をかけてみました。「あの、、、どこかでお会いしましたっけ」 「いいえ」「すいません 人違いです」 「いいえ」

しばらく静かに時間が過ぎ、女性は立ち上がりました。
「雷神(なるかみ)の少し響(とよ)みて さし曇り 雨も降らぬか きみを留(とど)めむ」
帰り際に一人、短歌を詠むと女性は立ち去りました。

孝雄には短歌の意味がわかりませんでした。

次の雨の日も女性はそこにいた。「こんにちは」「どうも」
それから、二人は次第に親しくなっていきます。やがて少しずつひかれあいます。

梅雨が明け、雨はあまり降らなくなり二人の合う機会は減りました。孝雄は靴の専門学校へ進学するための学費や靴の材料費を稼ぐため、日々バイトに明け暮れました。

9月に入り、新学期学校で、偶然雪野を見つけました。雪野は孝雄が通っている高校の古典の先生でした。

その後二人の心はすれ違い、いつしか季節は冬になります。

静かに雪の降る公園の、いつものベンチで四国の実家に帰った雪野からの手紙を読む孝雄。
読み終わると、かたわらに雪野のために作っていた靴を置きます。

「いつかもっと もっと遠くへ行けるようになったら 会いに行こう」

おわり

感想

最初は雨のシーンから始まり、ラストは雪が降り続けます。全編を通じて自然の描写が美しく心が癒されます。
その美しさと、15才の少年、孝雄のピュアな心が重なり、切なくなります。

冒頭のシーンで雪野が詠む短歌
「雷神(なるかみ)の少し響(とよ)みて さし曇り 雨も降らぬか きみを留(とど)めむ」
意味は「雨が降ってくれれば、あなたのことを私のところに留めておけるのに」万葉集で柿本人麻呂が詠んだ短歌です。

雪野は帰り際に古典の教師だと気づかせるために詠んだのでした。

この短歌は問答歌で、「問い」の歌に対して「返し」の歌が存在します。
「返し」の短歌は
「雷神(なるかみ)の少し響(とよ)みて 降らずとも 吾は留(とを)らむ 妹(いも)し留(とど)めば」

意味は「雨が降らなくても、あなたが望むなら私はここにいる」です。

孝雄は「返し」の短歌を調べて、雪野に詠みます。
この「問い」と「返し」がこの映画のストーリーを語っているような気がします。
恋の切なさをうたった短歌ですね。

まとめ

上映時間は46分と短いですが、見ごたえがあります。
ハッピーエンドで終わっているのではないですが、見終わった後、新緑の中にいるようなすがすがしさを感じます。

まだ見てないかたは「天気の子」とはまた一味違うこの作品をご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

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