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邦画

映画『羅生門』(1950年)ネタバレあらすじ&感想

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映画情報

日本公開 1950年8月26日

制作国 日本

監督 黒沢明

脚本 黒沢明 橋本忍

制作 箕浦甚吾

キャスト
多襄丸 -三船敏郎
真砂 -今日マチ子
金沢武弘 -森雅之
杣売り -志村喬
旅法師 -千秋実
巫女 -本間文子
下人 -上田吉二郎
放免 -加東大介

あらすじ

どしゃ降りの中、朽ちて荒れ果てた羅生門で杣売り(たき火用木材売り)と旅法師が、雨宿りしながら、考え込んでいます。そこへやってきた下人に二人が見聞きした奇妙な話を語り始めます。3日前の金沢武弘の死体を山で薪を取っていた杣売りが発見して検非違使に届け、旅法師は妻と共に居た金沢を見ていました。

二人は供述の為、検非違使に呼ばれそこで金沢の死に関わった3人の供述の食い違いを目の当たりにします。一人目は盗賊の多襄丸、山で金沢の妻の真砂を気に入り金沢を縛って真砂を手篭めにすると真砂が二人が戦い勝った方の妻になると言い出し金沢と戦い勝利したが女は逃げていたと言います。現場からなくなった男の太刀はその日の内に酒に変えたが女の短刀は知らないと言います。次に金沢の妻の真砂です。

多襄丸はその後逃げて金沢からは冷たい目で見られ、その視線に耐えられず自分を殺すように頼んだが聞き入れられずにそのまま気絶し目が覚めると金沢には短刀が刺さり死んでいて後を追おうとしたが死にきれなかったと話します。

最後に巫女が登場して死んだ金沢の霊を呼び出し、話しはじめました。真砂は多襄丸に付いて行くから夫の金沢を殺すように求め、呆れた多襄丸が激怒して女を生かすか殺すかは夫の金沢に決める様に求め、真砂は逃げ出し多襄丸も居なくなり一人残され無念の末に妻の短刀で自害し、その後自分の胸から何者かが短刀を抜き取ったが誰だかはわからないと話しました。

それぞれ違う供述で「3人共嘘をついている」と杣売りは下人に話し、一部始終を観ていたが、巻き込まれるのがいやで黙っていたと言います。真砂に惚れた多襄丸は夫婦になる様迫ったが断り金沢の縄を解くと、辱めを受けたと自害するよう求めます。男達の勝手な言い分に真砂は笑い出し二人を罵り殺し合わせます。多襄丸が勝ちましたが事の成り行きに同様し真砂は逃げ出しました。

そこで話し終わると赤ん坊の泣き声が裏から聞こえます。捨て子です。下人が赤ん坊の着物を奪いとり杣売りがせめますが現場から短刀を盗んだろと指摘してどしゃ降りの中を去って行きます。その後、最初のシーンの様に二人は放心した様に沈黙が続きます。

旅法師が赤ん坊を抱いていると杣売りが赤ん坊は自分が育てると言います。旅法師は「お主のおかげで私は人を信じて生きていく事ができそうだ」と人の良心に希望を見出すのでした。杣売りは大事そうに赤ん坊を抱いて雨上がりの羅生門を旅法師が見送る中、去って行きます。見上げた顔は笑顔です。

感想

どしゃ降りのシーンで杣売りと旅法師が放心状態のところから始まり、最後に旅法師は人を信じる心、杣売りは赤ん坊に希望を見出し、雨は上がってますが天気の状態で杣売りと旅法師の心の状態を表されている様な気がします。

事件に関わった3人が皆、自分のいいように嘘をつき、真実を語ったと思われる杣売りでさえ短刀の事を隠してたのではと絶望した旅法師が、杣売りが赤ん坊の残された服まで奪うのではと疑った事を恥じ杣売りを信じて心の雨が止んだのでしょうか。杣売りも生まれたての赤ん坊の将来に希望を見出した様に思えます。

真砂役の京マチ子は妖艶という言葉がぴったりですね。

音楽がいいです。ボレロ調で。担当は早坂文雄です。

まとめ

芥川龍之介の「藪の中」と、「羅生門」を橋本忍と黒沢明が脚色して原作にしました。

モノクロの美しさにこだわり、鏡を、使ったり太陽を直接撮ったり画期的な撮影を行なっています。

撮影は大映京都撮影所で行われ、羅生門の原寸大のセットを建設しました。

この作品は、当初日本では不評でしたが海外では評価が高く、ベネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞しています。大24回アカデミー賞で名誉賞、他数々の賞を受賞しています。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

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